関西クラシック音楽情報  ・・・・・・音楽賞のページ・・・  (18.9.29 更新)
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 JXTG音楽賞


「JXTG音楽賞」とは・・・

 JXTGホールディングが主催する音楽賞。「JXTG児童文化賞」と同時並行して顕彰が行われる。創設は1971年、わが国の音楽文化の発展・向上に貢献した個人または団体を顕彰するもの。邦楽、洋楽の2部門があり、さらに洋楽部門には、優れた若い音楽家を励ます目的で、1989年から奨励賞が設けられている。受賞者にはそれぞれ、トロフィーと副賞賞金 200万円が贈られる。
 創設当初は「モービル音楽賞」、2001年に「エクソンモービル音楽賞」と改称、2012年6月、エクソンモービルと東燃ゼネラルの資本関係の変更により、名称を「東燃ゼネラル音楽賞」と改めた。さらに2017年4月、JXグループと東燃ゼネラルグループの経営統合を機会に「JXTG音楽賞」と改めた。

 「JXTG児童文化賞」は1966年に創設され、広範囲にわたり日本の児童文化の発展・向上に貢献されている個人または団体を顕彰するもの。受賞者には、トロフィーと副賞賞金 200万円が贈られる。名称が変更された経緯は音楽賞とおなじ。

 問い合わせ:100-8161 東京都千代田区大手町 1-1-2
       JXTGホールディング株式会社
        総務部 広報グループ
       Tel:03-6257-7069

2018年度「JXTG音楽賞」受賞者決まる


 JXTGグループは、2018年度「JXTG音楽賞」(第48回)、および「JXTG児童文化賞」(第53回) の受賞者を決定し、発表した。

 「JXTG音楽賞」の受賞者、贈賞の理由、略歴、受賞歴、選考委員は以下の通り。
 「JXTG児童文化賞」は、「奥本 大三郎 (おくもと だいさぶろう) 」(作家・フランス文学者) に贈られた。

 贈賞式は、11月6日(木)にパレスホテル東京で行われる。


JXTG音楽賞

邦楽部門

 杵屋 勝国(きねや かつくに)/長唄 三味線方

贈賞理由

 杵屋勝国氏は若い頃から七世杵屋勝三郎師の薫陶を受け、長唄の古典にふさわしい優れた音楽性を獲得した。現在、歌舞伎における長唄の中心的な音楽家として、長唄を歌舞伎に相応しい壮大な様式で演奏している。それと同時に、その演奏は細部まで見事に調整されたもので、音色の多様な変化と繊細な表現を兼ね備えている。このように大きさと繊細さの双方をもった演奏様式は、とくに《船弁慶》や《虎狩》などの二世杵屋勝三郎の代表的な大作の演奏で見事に発揮される。勝国氏はさらに長唄三味線のための現代音楽でもその名人芸を披露している。本選考委員会は、杵屋勝国氏が長唄三味線の代表的な音楽家として、長唄界を牽引している功績を極めて高く評価するものである。(音楽賞邦楽部門 選考委員会)

略 歴

 福岡県生まれ。東京藝術大学音楽学部卒業。6歳のときに杵屋寿太郎に入門、また七代目杵屋勝三郎にも師事する。初舞台は、1955年福岡電気ホールにて「多摩川」を演奏。14歳で杵屋勝国の名を許される。1982年にジャパンソサイティ75周年記念アメリカ公演に出演のほか、デンマーク政府招待による独奏公演、ハワイ、ヨーロッパでの長唄演奏公演など、海外での活動も行っている。歌舞伎界では、1980年浅草公会堂での「鷺娘」「伴奴」で初めて立て三味線を務めた。その後、坂東玉三郎丈、故十八代目中村勘三郎丈の歌舞伎舞踊で常時立て三味線を務めており、そのほか多くの歌舞伎公演や長唄演奏公演、テレビ・ラジオにも出演するなど、幅広く活躍している。また、「末広」「百千鳥娘道成寺」「隅田川」の創作・作曲もおこない、「長唄名曲全集」や「日本舞踊曲大全集」などのCD、DVDが出版されている。現在、一般財団法人杵勝会理事長、長唄くにね会主宰。

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洋楽部門 本賞


 池辺 晋一郎(いけべ しんいちろう)/作曲

贈賞理由

 杵屋勝国氏は若い頃から七世杵屋勝三郎師の薫陶を受け、長唄の古典にふさわしい優れた音楽性を獲得した。現在、歌舞伎における長唄の中心的な音楽家として、長唄を歌舞伎に相応しい壮大な様式で演奏している。それと同時に、その演奏は細部まで見事に調整されたもので、音色の多様な変化と繊細な表現を兼ね備えている。このように大きさと繊細さの双方をもった演奏様式は、とくに《船弁慶》や《虎狩》などの二世杵屋勝三郎の代表的な大作の演奏で見事に発揮される。勝国氏はさらに長唄三味線のための現代音楽でもその名人芸を披露している。本選考委員会は、杵屋勝国氏が長唄三味線の代表的な音楽家として、長唄界を牽引している功績を極めて高く評価するものである。(音楽賞洋楽部門 選考委員会)

略 歴

 茨城県水戸市生まれ。東京藝術大学、同大学大学院修了。池内友次郎、矢代秋雄、三善晃の諸氏に師事。1996年より2009年3月まで13年間、NHKテレビ「N響アワー」の司会を担当し、好評を博した。現在、東京音楽大学名誉教授、全日本合唱連盟顧問、横浜みなとみらいホール館長、東京オペラシティ・ミュージックディレクター、石川県立音楽堂洋楽監督などを務めている。作品には、交響曲No.1〜10、ピアノ協奏曲No. 1〜3、チェロ協奏曲、オペラ「死神」「鹿鳴館」「高野聖」をはじめ、管弦楽曲、室内楽曲、合唱曲など多数あり、また、映画「影武者」「楢山節考」「うなぎ」「スパイ・ゾルゲ」「剱岳・点の記」、テレビ「独眼竜政宗」「元禄繚乱」など多数の映画、ドラマ音楽の他、演劇音楽約470本を担当している。著書に「空を見てますか1〜8」「モーツァルトの音符たち」「オーケストラの読みかた」などがある。

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洋楽部門 奨励賞

 小倉 貴久子(おぐら きくこ)/フォルテピアノ

贈賞理由

 小倉貴久子は日本を代表するクラヴィーア奏者である。しかも、フォルテピアノという古楽器の名演奏家として広く知られている。これまで、「音楽の玉手箱」「ベートーヴェンをめぐる女性たち」などを展開、現在は「モーツァルトのクラヴィーアのある部屋」をシリーズ化して興味深い演奏会を提供し続けている。また、その一方では、ソロ、室内楽、協奏曲などバロックから近・現代まで幅広いレパートリーで演奏活動もしており、浜松市楽器博物館コレクションシリーズの録音での演奏も高い評価を得ている。2013年の「輪舞(ロンド)〜モーツアルトの輝き〜」の他、これまでCDを40点以上リリースし、そのいずれもで、典雅で優美な演奏によりフォルテピアノの世界をさらに親しみ深い存在とする役割を果たしてきた。この領域におけるこれまでの業績を高く評価するとともに、今後のさらなる活躍を期待してJXTG音楽賞奨励賞を贈る。(音楽賞洋楽部門 選考委員会)

略 歴

 岩手県一関生まれ。東京藝術大学を経て同大学大学院修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞を得て首席卒業。各ホール主催公演や音楽祭、NHK「クラシック倶楽部」「ぴあのピア」「名曲探偵アマデウス」「ららら♪クラシック」などへの出演や、NHK「カルチャーラジオ芸術の魅力〜モーツァルトが出会った音楽家たち」の講師を務める。浜松市楽器博物館主催の録音やコンサートも高い評価を得る。これまでにCDを40点以上リリースし、それらの多くが朝日新聞、毎日新聞、読売新聞などの各新聞紙上や「レコード芸術」誌等で推薦盤や特選盤に選ばれている。著書に「カラー図解ピアノの歴史」(河出書房新社)などの共著や監修が多数ある。2004年度より東京藝術大学古楽科非常勤講師を務めている。「フォルテピアノ・アカデミー SACLA」主宰。現在は、「小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》」シリーズコンサートを開催している。


JXTG音楽賞 選考委員

邦楽部門
 徳丸 吉彦(聖徳大学教授、京都市立大学 客員教授、お茶の水女子大学 名誉教授)
 塚原 康子(東京藝術大学教授)
 加納 マリ(日本音楽研究)

洋楽部門
 関根 礼子(音楽評論家)
 中村 孝義(大阪音楽大学 理事長・名誉教授)
 諸石 幸生(音楽評論家)

問い合わせ:JXTGホールディング株式会社 総務部 広報グループ(03-6257-7069)
       *JXTGホールディングのホームページは《こちら


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