関西クラシック音楽情報  ・・・音楽賞のページ・・・  (10.1.31 更新)
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 音楽クリティック・クラブ賞

 音楽クリティック・クラブ賞とは・・・

 関西に在住する音楽評論家でつくる「音楽クリティック・クラブ」が主催する音楽賞。関西音楽界の一層の活性化を図ろうと,毎年12月に,直近の1年間に関西圏で開催された演奏会のなかから、最優秀とみとめられたものに「音楽クリティック・クラブ賞」,著しい成長を示し今後の活躍が大いに期待されるものに「音楽クリティック・クラブ奨励賞」を贈っている.


 連絡事務所:株式会社 ヤマハミュージック大阪 心斎橋店
       542-0085 大阪市中央区心斎橋筋 2-8-5
       Tel:06-6211-8330
 *「音楽クリティック・クラブ」は、クラブ組織の団体なので、団体としての事務所はない。


 2009年度 (第30回)
「音楽クリティック・クラブ賞」の受賞者決まる


 2009年度 (第30回) の「音楽クリティック・クラブ賞」は,林 裕 (チェリスト)と,佐野えり子 (ピアニスト)に,「音楽クリティック・クラブ奨励賞」は,萬谷衣里 (ピアニスト)に,それぞれ贈られることとなり,1/19に贈賞式が行われた.

 受賞の理由および対象になった公演は以下の通り.

 音楽クリティック・クラブ賞

 林 裕(はやし ゆたか)

■《受賞の理由》

 林 裕 チェロリサイタル (09.5.14 ザ・フェニックスホール) に於いて、「チェリスト=コンポーザー・コレクション」と題するプログラムで、チェリストとしても一家をなした作曲家の作品を選び、楽器の特徴を生かした卓越した演奏でチェロ音楽の醍醐味を表現した。具体的にはブレヴァル「ソナタ ト長調」、カサド「アチャーレス」,ダヴィドフ「泉のほとりで」、ポッパー「コンサートポロネーズ」で、チェリストにとってはおなじみでも、一般にはなじみの薄い作品に内在する聴きどころをおさえて、チェロという楽器の魅力と醍醐味を技量の粋を尽くして表現し、その余裕たっぷりの弓さばきで聴くものを驚嘆させた。後半は対照的ともいうべきプロコフィエフ「チェロソナタ ハ長調 op.119」の大曲に挑み、ピアノのボリス・ベクテレフの優れた共演を得て、現代に於けるチェロ音楽の魅力を再確認させる出色の演奏会になった。プログラムの意表をつく視点の面白さと、奏者の主張を的確に表現する卓越した技量は今年度のリサイタルの白眉として高く評価できる。

■《受賞の理由となった公演》

09.5.14(木)19:00 ザ・フェニックスホール
林 裕 チェロリサイタル チェリスト=コンポーザー・コレクション
ピアノ/ボリス・ベクテレフ 曲目:カサド/アチャーレス,ダヴィドフ/泉のほとりで op.20-2,ポッパー/コンサートポロネーズ op.14,プロコフィエフ/チェロソナタ ハ長調 op.119 入場料:¥3,000/当日¥4,000 問い合わせ:ユーモレスク(080-5715-92273)


 佐野 えり子(さの えりこ)

■《受賞の理由》

 桐朋学園大学とパリ国立高等音楽院第3期課程 (大学院) に学び、内外のコンクールの入賞歴や青山音楽賞などの受賞歴もあるピアノの佐野えり子は、京都市立芸術大学と愛知県立芸術大学で後進の指導に当たる一方で、定期的にリサイタルを開いてきた。そうしたこれまでのリサイタルでも、佐野は優れた力量を示していたが、2009年6月30日と7月9日の2夜にわたって兵庫県立芸術文化センターの神戸女学院小ホールで開いたラヴェルのピアノ曲全曲演奏会は、一段と充実した内容で強い感銘を残した。技巧的な安定度の高さに加えて、ラヴェルのピアノ曲に求められる音のクリアーさと音色の多彩さにおいても際立っていたからである。そして、ややクールと言えるほどの明晰な表現は、決して感情過多にならないが、かと言ってまったく無機的でもないという、きわめてバランスの良い演奏であった。とりわけ声部ごとの音色の弾き分けが見事で、そのために曲の構造が見通せるような表現になっており、これこそラヴェルという印象が強い。さらに印象深かったことのひとつとして、作品ごとに音色や表情がまるで別人の演奏かと思えるほど多彩に変化していたことが挙げられる。その優れた演奏に対し、また今後の更なる活躍を期待して本賞を贈る。

■《受賞の理由となった公演》

v(火)19:00 兵庫県立芸術文化センター 小ホール
佐野えり子 ラヴェル ピアノ全曲演奏会 第1夜
曲目:ラヴェル/水の戯れ,亡き王女のためのパヴァーヌ,ソナチネ,高雅で感傷的なワルツ,鏡 入場料:¥3,000(全自由) 問い合わせ:神戸コンサート協会 (078-805-6351)

09.7.9(木)19:00 兵庫県立芸術文化センター 小ホール
佐野えり子 ラヴェル ピアノ全曲演奏会 第2夜
曲目:ラヴェル/古風なメヌエット,ハイドンの名によるメヌエット ボロディン風に...シャブリ風に,クープランの墓,グロテスクなセレナード,プレリュード,夜のガスパール 入場料:¥3,000(全自由) 問い合わせ:神戸コンサート協会 (078-805-6351)

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 音楽クリティック・クラブ奨励賞

 萬谷 衣里(まんたに えり)

■《受賞の理由》

 萬谷衣里は大阪AISコンサートに出演して、大阪市の区民ホールを中心に、地味な活動を根気良く展開して来たが、ドイツのロシュトックへ留学し、その一時帰国記念のリサイタルを、いずみホールで開いた。曲目はモーツァルトのソナタから、バルトークのソナタまで、古典からロマン派、さらにモダン・ミュージックと、幅広いレパートリーで優れた演奏を聴かせていた。彼女は留学以前から、自らの言葉で語る個性的な音楽に特徴があったが、それが留学によって、より大きく成長を遂げたようである。いずれの曲も本質を突いた表現がなされ、決してワンパターンならなかったこと。それぞれにふさわしいテクニックと表現で、見事に弾き分けられていたのは、とりもなおさずプロフェッショナルとしての基本といえる。萬谷の年齢を考えると、その完成度はすこぶる高く、世界的なサーキットで十分に通用する資質だろう。今回のリサイタルでは、とり分けモーツァルトの疾走感、シューベルトのソナタ第14番的確な様式感の把握、さらにブラームスの4つの小品に於ける、心優しい抒情の自然な流れが魅力的だった。またリストのハンガリー狂詩曲では、コントロールの利いたピアニズムを展開、エンターテインメイト性にも欠けることなく、会場を理屈抜きで湧かせていた。そうした彼女の成長の節目として、今回のリサイタルの成果を顕彰したいと思う。

■《受賞の理由となった公演》

09.2.20(金)19:00 いずみホール
大阪AISコンサート 萬谷衣里 ピアノリサイタル
曲目:モーツァルト/ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310,シューベルト/ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 D.784,シューベルト (リスト 編)/12の歌曲集より「魔王」,ブラームス/4つの小品 op.119,リスト/ハンガリー狂詩曲 第2番,バルトーク/ピアノ・ソナタ 入場料:¥3,000/当日¥3,500 学生・65才以上¥2,000/当日¥2,500(当日指定) 問い合わせ:大阪AIS実行委員会(06-4792-2061)

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◆ 音楽クリティック・クラブのメンバーは下記の通り.
 伊東信宏 日下部吉彦 小石忠男 桜井多佳子 鴫原眞一 柴田隆弘 嶋田邦雄 白石知雄 椨 泰幸 
 出谷 啓 中原昭哉 中村孝義 根岸一美 響 敏也 福本 健 横原千史 (以上 50音順)


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