関西クラシック音楽情報  ・・・音楽賞のページ・・・  (18.3.9 更新)
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 音楽クリティック・クラブ賞

 「音楽クリティック・クラブ賞」とは・・・

 関西に在住する音楽評論家でつくる「音楽クリティック・クラブ」が主催する音楽賞。関西音楽界の一層の活性化を図ろうと、毎年12月に、直近の1年間に関西圏で開催された演奏会のなかから、最優秀とみとめられたものに「音楽クリティック・クラブ賞」、著しい成長を示し今後の活躍が大いに期待されるものに「音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞」を贈っている。


 連絡事務所:株式会社 ヤマハミュージック大阪 心斎橋店
       542-0085 大阪市中央区心斎橋筋 2-8-5
       Tel:06-6211-8330
 *「音楽クリティック・クラブ」は、クラブ組織の団体なので、団体としての事務所はない。


 2017年度 (第38回)
 「音楽クリティック・クラブ賞」受賞者決まる


 2017年度 (第38回) の「音楽クリティック・クラブ賞」は、本年1月に行われた選考会で、下記の通り受賞者が決定し、1/16 に贈呈式が行われた。

  音楽クリティック・クラブ賞 本 賞 井上 道義 指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団
                 〃  井原 広樹(オペラ演出家)
                奨励賞 冨田 一樹(オルガン奏者)
                 〃  アフター・アワーズ・セッション(室内楽演奏集団)


 音楽クリティック・クラブ賞は、「直近の1年間に関西圏で開催された演奏会のなかから」選ぶことになっていて、2017年度については、本賞2件、奨励賞2件が選ばれた。

 いずれの演奏会も、受賞に相応しいものだったが、ことにバーンスタインの「ミサ」は、井上道義のエネルギーと大阪国際フェスティバルという演奏会開催の機会がなければ実現しなかったもの。再演が期待されるだろうが、文化庁主催の初演から23年ぶりの再演というから、とんでもない企画だったのだ。それをここまで仕上げるというのは、高く評価されて当然。

 井原広樹の受賞も特筆に値する。ことに「イリス」「偽の女庭師」は、初めて見たひとも多かろうと思われるが、思わず引き込まれて見たひとが多かったのではなかろうか。演出の巧みさというべきだろう。

 受賞者については、それぞれのホームページをを参照。
  《井上道義》 《大阪フィル》 《井原広樹
  《冨田一樹》 《アフター・アワーズ・セッション

  flyer
 前列 左から、受賞者 冨田 一樹,小倉慎司 (KAJIMOTO 井上道義 マネジメント)、福山 修 (大阪フィル)、高木ひとみ (井原広樹 夫人)、高木アイ (同 令嬢)、後列 左から、アフター・アワーズ・セッション メンバー の皆さん。

 音楽クリティック・クラブ賞

 受賞の理由および対象になった公演は以下の通り、


 本 賞  井上 道義 指揮/大阪フィルの
      ショスタコーヴィチとバーンスタイン演奏の成果


■《受賞の理由となった公演》

flyer 17.2.17(金)19:00 フェスティバルホール
17.2.18(土)15:00 フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第505回定期演奏会
指揮/井上道義 曲目:ショスタコーヴィチ/交響曲 第11番 ト短調 op.103「1905年」,ショスタコーヴィチ/交響曲 第12番 ニ短調 op.112「1917年」 入場料:A¥6,000 B¥5,000 C¥4,000 学生(3階)¥1,000 BOX¥7,000 問い合わせ:大阪フィル・チケットセンター(06-6656-4890)

17.7.14(金)19:00 フェスティバルホール
17.7.15(土)14:00 フェスティバルホール
バーンスタイン「ミサ」第55回大阪国際フェスティバル2017
総監督・指揮・演出/井上道義 副指揮/角田鋼亮 バリトン(司祭)/大山大輔 ボーイソプラノ/込山直樹 ソプラノ/小川里美,小林沙羅,鷲尾麻衣 メゾソプラノ/野田千恵子,幣 真千子,森山京子 アルト/後藤万有美 カウンターテナー/藤木大地 テノール/古橋郷平,鈴木俊介,又吉秀樹,村上公太 バリトン/加耒 徹,久保和範,与那城 敬 バス/ジョン・ハオ 管弦楽/大阪フィルハーモニー管弦楽団 合唱/同 合唱団 児童合唱/キッヅコールOSAKA(一般公募のオーディションにより結成された合唱団) バレエ/堀内 充バレエプロジェクト ミュージック・パートナー/佐渡 裕(出席なし) 曲目:バーンスタイン/シアターピース「ミサ」(新制作・原語上演・日本語字幕付き) 入場料:S¥9,500 A¥8,500 B¥7,000 学生(限定100席)¥1,000 BOX¥15,000 バルコニーBOX(2席セット)¥19,000 問い合わせ:フェスティバルホール(06-6231-2221)/大阪フィル・チケットセンター(06-6656-4890)

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■《贈賞の理由》

 井上道義と大阪フィルハーモニー交響楽団は、首席指揮者として積極的に取り上げてきたシヨスタコーヴイチで、これまでの集大成ともいうべき優れた演奏を展開した。2月の第505回定期演奏会で交響曲第11番と第12番という演奏の極めて難しい大作2曲を並べ、いずれも高い水準で音化し、聴衆に深い感銘を与えた。とりわけ、交響曲第11番はいち早く録音がCDとしてリリースされた。この交響曲は、1905年のロシア第1次革命の「血の日曜日」の惨劇を題材とし、10万人の民衆に軍隊が一斉射撃、容赦の無い殺鐵と阿鼻叫喚の地獄絵図を描く。井上=大阪フイルは怖ろしいほどの冷徹さでそれを再現する。犠牲者へのレクイエムでは、沈痛な祈りがやがて怒りと叫びの爆発となる。未来への警鐘も力強く胸に迫る。実演の感動を伝えるこのCDも優れた業績といえる。
 7月には大阪フイル創立70周年を記念し大阪国際フェスティバルと共催する特別演奏会でバーンスタインの《ミサ》を取り上げた。このシアターピース (劇場用作品) は、滅多に上演されず、国内では23年ぶりの大阪初演となった。大管弦楽、合唱、児童合唱の他に、ストリートコーラスと呼ばれる多数の独唱陣、ダンサー、ロックバンド、ブルースバンドという巨大な編成を、井上道義は見事に統御し、フェスティバルホールの大舞台に効果的に配置し、曲のもつ破天荒なメッセージ性を自らの演出によって明らかにした。そこでは司祭をバーンスタイン自身に設定し、現代における神の存在を問題提起する。いずれの演奏会でも作品の現代的意味を聴衆に問いかける近年稀にみる刺激的な上演であった。(横原千史 音楽クリティック・クラブ)

■《贈られた賞状》

 二〇一七年度 音楽クリティック・クラブ賞 本賞
   井上道義 殿
   大阪フィルハーモニー交響楽団 殿

 井上道義と大阪フィルハーモニー交響楽団はショスタコーヴィチの交響曲 第11番と第12番の演奏とバーンスタインの《ミサ》の上演において、作品の現代的意味を徴収に問いかけるような近年稀に見る刺激的な公演を展開した。この優れた業績を高く評価して、音楽クリティッククラブ賞 本賞を贈ります。
  二〇一八年一月一六日
              音楽クリティック・クラブ
                メンバー 連名

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 本 賞  井原 広樹
      2017年度のオペラ演出の創意と充実度


■《受賞の理由となった公演》

flyer 17.5.27(土)16:00 あましんアルカイックホール 大ホール
17.5.28(日)14:00 あましんアルカイックホール 大ホール
関西二期会 第87回オペラ公演「イリス」
指揮/ダニエーレ・アジマン 演出/井原広樹 管弦楽/大阪交響楽団 公演監督/斉藤言子 演目:マスカーニ/オペラ「イリス」(全3幕・イタリア語上演・日本語字幕付き) 配役:別項 入場料:特S¥10,000 S¥10,000 A¥8,000 B¥5,000 C¥3,000 D¥1,000 問い合わせ:関西二期会(06-6360-4649)/あましんアルカイックホール(06-6487-0910)

17.10.8(日)16:00 みつなかホール
17.10.9(月・祝)14:00 みつなかホール
第26回みつなかオペラ プッチーニ「妖精ヴィッリ」「外套」
指揮/牧村邦彦 演出/井原広樹 管弦楽/ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団 バレエ/法村友井バレエ団 合唱/みつなかオペラ合唱団 演目:プッチーニ/「妖精ヴィッリ」(全2幕・原語上演・字幕付き),「外套」(全1幕・原語上演・字幕付き) 配役:別項 入場料:¥7,000/当日¥7,500 割引¥4,500/当日¥5,000 問い合わせ:みつなかホール(072-740-1117)

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flyer 17.11.3(金・祝)14:00 ザ・カレッジ・オペラハウス
17.11.5(日)14:00 ザ・カレッジ・オペラハウス
大阪音楽大学 第53回オペラ公演「偽の女庭師」
指揮/牧村邦彦 演出/井原広樹 管弦楽/ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団 制作統括/中村孝義 演目:モーツァルト/歌劇「偽の女庭師」(全3幕・原語(イタリア語)上演・日本語字幕付き・上演時間 約3時間) 配役:別項 入場料:¥5,000 高校生以下¥3,000 問い合わせ:大阪音楽大学コンサートセンター(06-6334-2242)


■《贈賞の理由》

 井原広樹のオペラ演出家としての2017年度の仕事は多岐にわたって傑出していますが、まずマスカーニ「イリス」5/27 & 28 (第87回オペラ公演、アルカイック・ホール) です。日本が舞台で、田舎の素朴な娘イリスに惚れた大阪、女街の京都と異国の世界を斬新な音響の世界に捉え、合唱団を群衆に仕立て入れ子構造の世界を効果的に視覚化しました。
 さらにプツチーニ「妖精ヴイツリ」&「外套」10/8 & 9 (第26回みつなかオペラ、みつなかホール) ではプッチーニの作風の推移を対比しながら、「外套」では血なまぐさい愛憎劇のプリマを汚れ役に活写して、結末を印象づけました。
 またモーツァルト「偽りの女庭師」11/3 & 5 (大阪音楽大学 第53回オペラ公演、ザ・カレッジ・オペラハウス) では大阪音楽大学の教員と卒業生の自主制作を歌唱力抜群の歌手を糾合して、オペラの見せ場は歌唱と演技にあることを実証する活力のある舞台に統合して主張をつらぬきました。ここにその創意と成果を讃えて本賞を贈ります。(鴫原眞一 音楽クリティック・クラブ)

■《贈られた賞状》

 二〇一七年度 音楽クリティック・クラブ賞 本賞
   井原 広樹 殿

 あなたは二〇一七年度のオペラ演出を担当して、年間最高位の舞台成果を印象づけました。マスカーニ「イリス」(関西二期会) では、合ロ昌団を群衆に視覚化して異界の舞台を見せ、プッチーニ「外套」(みつなかオペラ) では血なまぐさい愛憎劇を活写し、モーツァルト「偽りの女庭師」(ザ・カレッジ・オペラハウス) では歌唱力抜群の歌手を糾合して、オペラの見せ場は歌唱と演技にあることを実証する活力のある舞台に統合して主張をつらぬきました。ここにその創意と成果を讃えて本賞を贈ります。
  二〇一八年一月一六日
              音楽クリティック・クラブ
                メンバー 連名

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 奨励賞  冨田 一樹

■《受賞の理由となった公演》

flyer 17.4.4(火)19:00 いずみホール
バッハ・オルガン作品全曲演奏会 [特別企画] 冨田一樹 バッハ国際コンクール第1位受賞記念凱旋コンサート
お話/礒山 雅 曲目:ブクステフーデ/プレリュード ト短調 BuxWV.149,ベーム/「天にいますわれらの父よ」,パッヘルベル/「われらが神は堅き砦」,J. S. バッハ/「われら皆一なる神を信ず」BWV680,「装いせよ, おお, 魂よ」BWV65,トッカータとフーガ ヘ長調 BWV540,プレリュードとフーガ ハ短調 BWV546,「おお人よ, 汝の大いなる罪を嘆け」BWV622,「深き淵より, われ汝に呼ばわる」BWV686,「おお, 神の小羊, 罪なくして」BWV656,パッサカリア ハ短調 BWV582 入場料:¥2,000 学生¥1,000 問い合わせ:いずみホール チケットセンター(06-6944-1188)


■《贈賞の理由》

 いずみホールが続けているバッハ・オルガン作品全曲演奏会は、世界有数のオルガニストたちが出演しているが、このシリーズの特別企画として催されたのが、冨田一樹の凱旋コンサートである。冨田は2016年の第20回バッハ国際コンクールのオルガン部門で日本人初の第1位と聴衆賞を受賞しており、今回はその記念としてのコンサートで、4月4日にいずみホールで開催された。
 ブクステフーデ、ベーム、パッヘルベル、そしてJ. S. バッハの、コラール作品を中心に自由曲を織り交ぜたプログラムは、オルガン音楽の変遷を体感させる内容で、冨田はそれらを多彩でセンスの良いストップ (音栓) の選択と躍動的なリズム感で表情豊かに演奏した。オルガンという楽器は、鍵盤を押していれば、いつまでも何の変化もなく鳴り続けるという、古くからある楽器の中では特異な楽器で、それだけに表現の変化やニュアンスを付け るのが難しく、ほとんとリズムの柔軟性によって、それを成し遂げなければならないのだが、冨田は生き生きとしたリズム感でそれを達成しており、聴き手を愉しませたことを高く評価したい。(福本 健 音楽クリティック・クラブ)

 二〇一七年度 音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞
   冨田 一樹 殿

 あなたは二○一七年四月四日のいずみホールにおけるバッハ・オルガン作品全曲演奏会の特別企画としてバッハ国際コンクール第一位受賞記念および凱旋コンサートに出演され、柔軟なリズム感による多彩でニュアンス豊かな演奏を披露されました。その成果を評価し、この賞を贈ります。
  二〇一八年一月一六日
              音楽クリティック・クラブ
                メンバー 連名

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 奨励賞  アフター・アワーズ・セッション (室内楽演奏集団)

■《受賞の理由となった公演》

flyer 17.11.2(木)19:00 ザ・フェニックスホール
アフター・アワーズ・セッション 20周年記念演奏会
ヴァイオリン/日比浩一 ヴィオラ/三木香奈 チェロ/日野俊介 コントラバス/南出信一 フルート/植田恵子 オーボエ/大島弥州夫 クラリネット/松原央樹 ホルン/世古宗優 ファゴット/首藤 元 ピアノ/右近恭子 曲目:マルティヌー/九重奏曲 第2番,薮田翔一/Nebula (日本初演),モーツァルト/オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K370,ほか 入場料:¥3,000 ペア¥5,000 学生¥2,000(全自由) 問い合わせ:アフター・アワーズ・セッション(0797-34-3116/afterhourssession@hotmail.com)


■《贈賞の理由》

 管弦打楽器とピアノ、声楽のメンバーまでを有する団体は珍しく、あらゆる室内楽作品を演奏できるという強みは団体のアピールポイントのひとつとなっている。1997年に結成された「アフター・アワーズ・セッション」はメンバーの主体的な活動によって成り立っており、まさに「継続こそ力なり」という言葉を体現して20周年の節目を迎えた。
 この度の「20周年記念シリーズ vol.5」では、5曲の多様な編成の室内楽作品がプログラミングされており、中でもこれまでも積極的に手がけてきたマルティヌーの作品、「三重奏曲」と「九重奏曲」の演奏は、作品が持つ魅力を十全に伝えるものであった。こうした演奏は一朝一夕で出来上がるものではなく、これまでの継続があってこそ初めて可能になるアンサンブルの成果だと言えよう。また今年敢行されたジョージア演奏旅行で初演した藪田翔一への委嘱作品もこの演奏会で演奏されており、グループのために書かれた作品ということもあって、木管五重奏にピアノが加わった編成から色彩感豊かな響きが生まれ、この演奏会に彩りを添えることとなった。
 今後も益々盛んに演奏活動が展開されることに期待を込めて、ここに奨励賞を贈ります。(小味渕彦之 音楽クリティック・クラブ)

■《贈られた賞状》

 二〇一七年度 音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞
   アフター・アワーズ・セッション 殿

 あなた方の「20周年記念シリーズ vol.5」(十一月二日、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール) における演奏は、結成20周年の節目にふさわしく、グループとしての魅力を発揮したもので、多様な編成によるそれぞれの室内楽作品の本質を聴衆に届けるものでした。今後も益々盛んに演奏活動が展開されることに期待を込めて、ここに奨励賞を贈ります。
  二〇一八年一月一六日
              音楽クリティック・クラブ
                メンバー 連名

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◆ 音楽クリティック・クラブのメンバーは下記の通り。(17.1.16 現在)
  伊東信宏 日下部吉彦 小味渕彦之 鴫原眞一 嶋田邦雄 白石知雄 椨 泰幸 出谷 啓
  寺西 肇 中村孝義 能登原由美 響 敏也 福本 健 横原千史 (以上 50音順)


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